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致死量は意外と低い?犬が玉ねぎで中毒症状を起こす理由と量を解説!

犬が食べてはいけない代表的な野菜と言えば玉ねぎ。なぜ、玉ねぎが犬にとって危険性の高い野菜なのかご存知ですか?

犬にとって玉ねぎが良くないと分かっていても、「犬が玉ねぎを食べても問題ない」「少量なら大丈夫」といった情報も紛れ込んでいるため、何が正しくて間違っているのか判断がつかないといった質問をよく受けます。

そこで今回は、犬が玉ねぎを食べてはいけないそもそもの理由は何なのか?本当に食べたら危険なのか?など、犬と玉ねぎの関係性について解説していきたいと思います。

なぜダメなの?玉ねぎが犬にとって危険な理由!

玉ねぎが犬にとって中毒性のある食材だということは分かっていても、なぜ危険なのか?までをしっかり把握している飼い主さんは少ないと思います。

そこでまずはじめに、玉ねぎが犬にもたらす作用について解説していきましょう。

玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」が原因!

インターネットで「玉ねぎ 犬」と検索すると、玉ねぎに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」が犬にとって中毒物質であると多くのサイトで書かれています。

確かに、ちょっと前までは「アリルプロピルジスルフィド」が原因で中毒症状を起こすと報告されていました。しかし最近になって、本当の中毒物質は「有機チオ硫酸化合物」であることが判明したのです。

有機チオ硫酸化合物とは

玉ねぎに含まれる成分の一つ。人間に対しては抗がん作用、血栓症予防、免疫力アップなどの効果が期待できますが、犬にとっては有毒となる物質です。玉ねぎには少なくとも3種類の有機チオ硫酸化合物が含まれており、加熱してもなくなることありません。

犬にとって有機チオ硫酸化合物がなぜ有毒なのか?というと、この物質を消化する酵素を持っていないからです。これは犬だけでなく猫にも同じことが言えます。

しかも、この物質自体が酸化作用を持っているため、体内に入ると赤血球のヘモグロビン(赤い色素)を酸化させ、赤血球内に「ハインツ小体」という病変を作ってしまうのです。

赤血球内にハインツ小体が作られるってどういうこと?

ハインツ小体をもった赤血球は血管の中で破裂しやすくなり、溶血を引き起こします。そして溶血が繰り返されると、赤血球の数が減るため最終的に「溶血性貧血」「ハインツ小体性貧血」などを引き起こします。

なぜ犬が玉ねぎを食べると危険なのか?つまりそれは、赤血球が破壊されて重症の貧血になる危険性があるからということになります。ひどい時には命を落としてしまうこともあります。

また、破裂した赤血球のヘモグロビンがそのまま腎臓へ流れることもあり、やがて尿に血が混ざって血尿を引き起こしてしまうこともあります。

何をしても消えない!それが「有機チオ硫酸化合物」の特徴!

実は、有機チオ硫酸化合物は加熱しても消えることはありません。もちろん加工してもです。

そのため、玉ねぎが入った料理すべてには必ず有機チオ硫酸化合物が含まれていると考えることが大切です。

玉ねぎの入った味噌汁、スープ、ハンバーグ、煮物、コロッケ、シチュー、カレー、野菜炒め、牛丼、かき揚げ、お菓子など。

これらには玉ねぎのエキスや煮汁が含まれているので、体質や健康状態によっては少量を口にしただけで中毒を起こしてしまう犬もいます。十分に注意しましょう。

玉ねぎ以外に「有機チオ硫酸化合物」が含まれている野菜はあるの?

有機チオ硫酸化合物は、玉ねぎ以外のヒガンバナ科ネギ属の植物にも含まれています。

長ネギ、ニラ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウ、ワケギなど。

それぞれ毒性成分の含有量が違うため、危険度は異なります。とは言え、有機チオ硫酸化合物が含まれていることに変わりはありませんので、犬には食べさせないようにしましょう。

犬が玉ねぎで中毒症状が出てしまう量や致死量は?

犬における玉ねぎの中毒量は、一般的に体重1kgあたり15~20gと言われています。

例えば、体重14kgの犬であれば約210g(約1個分)の玉ねぎを食べたら危険という計算になります。

そして致死量ですが、これについては明確な量が示されていません。恐らく、上記で示した量以上を摂取した場合に危険を伴うのではないかと思われます。

中毒量も致死量もはっきりとしていないのは、実は玉ねぎを食べて死亡したという例がほとんどないからです。

実際どのくらいの玉ねぎを食べたらダメなのか?というのは今でも謎のベールに包まれており、現時点では「〇g食べたらダメ」という根拠のある情報が存在しません。

犬の体質や健康状態によっては微量でも危険な場合もあるため、玉ねぎについてはあまり情報を過信せず、与えないようにする姿勢を保つことが重要です。

犬が玉ねぎ中毒を起こした時の症状は?

犬が玉ねぎを食べてしまった時の症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 貧血
  • 黄疸
  • 元気がない
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 痙攣
  • 震え
  • 頻脈
  • 血尿
  • 血便
  • 吐血
  • 呼吸困難など

これらは実際に報告されている症状なのですが、すべての犬にこのような中毒症状が現れるわけでもありません。

玉ねぎを食べてケロッとしている子もいれば、ペロッと舐めただけで深刻な中毒症状を起こす子もいます。症状の出方は個体差によって本当にバラバラなので、あくまでも一例として参考にしていただければと思います。

ただ1つだけ分かっていることは、肝臓や腎臓の機能が弱っている犬、柴犬、秋田犬は、他の犬よりも中毒症状が出やすい傾向にあるということです。柴犬と秋田犬については後ほど詳しく解説します。

玉ねぎを食べて中毒症状があらわれるまでの時間は?

玉ねぎを食べたからといって、すぐに中毒症状が現れるわけではありません。

これも個体差があるのではっきりと言い切ることはできませんが、症状が出るまで半日~数日ほどかかることが多いようです。もちろん摂取量によっても異なります。

なので、もしも愛犬が玉ねぎを食べてしまった場合は必ず数日間様子を見るようにしましょう。少しでも様子がおかしいなと感じた時は、すぐに動物病院へ連絡するようにして下さい。

玉ねぎで中毒症状が出た時はどんな治療をするの?

玉ねぎで中毒症状が見られた場合、動物病院では血液検査をして数値を確認することが一般的です。検査をすれば、赤血球が破壊されているかどうかが分かります。

そして、玉ねぎを摂取したのが1時間以内であれば催吐を試み、2~4時間以内であれば胃の洗浄ビタミンCの点滴などが行われます。

他にも、利尿剤などを投与して毒素を尿から排出させる方法、貧血が起きているなら輸血するなどの方法もあります。

犬が玉ねぎを食べてしまった時の対処法や応急処置は?

よく「塩水を飲ませて吐かせて下さい」といった情報を見かけますが、現在その方法は推奨されていません。なぜなら、大量の塩分摂取による塩中毒の危険性が伴うからです。

自宅でできる応急処置としては、消毒などに使われるオキシドールで吐かせる方法が一般的です。これは何か誤飲誤食した時にも有効です。

オキシドールを使った応急処置

薬局などで手に入るオキシドール(3%溶液)を水で2倍に薄め、ティースプーン1~2杯分を口に入れて飲ませる。吐くまで3回ほどこれを続ける。

ただし、犬の胃腸や内臓が弱っている場合、大量に玉ねぎを食べた、あるいは玉ねぎを食べてから1時間以上が経過している場合はこの方法はおすすめしません。速やかに動物病院へ連絡して獣医師の指示を仰ぐようにして下さい。

なぜ柴犬と秋田犬は他の犬よりも玉ねぎ中毒になりやすいの?

どんな犬においても玉ねぎは注意が必要ですが、中でも柴犬と秋田犬のような日本犬は玉ねぎ中毒を発症しやすい犬種だと言われています。

これは、遺伝的に「高カリウム赤血球」を持っていることが理由です。高カリウム赤血球を持っている犬は、有機チオ硫酸化合物に対する感受性が他の犬よりも高くなります。

もしも柴犬と秋田犬が玉ねぎ中毒を発症した場合、高カリウム血症を引き起こして命を落とす危険性が高まるので注意しましょう。

まとめ

玉ねぎと犬の関係性については、本当にいろんな意見が出ています。

「犬に玉ねぎが危険は嘘」とか「デマ」といった情報を流す人も多いですが、これらには誰もが納得する根拠がないため、過信するのは良くないと私は思っています。

玉ねぎで中毒を起こしてしまう原因が少しずつ分かってきている今、わざわざ玉ねぎを意図的に与える必要はありません。与えられた犬が実験の対象にされているようでかわいそうです。

飼い主さんは犬に関する正しい知識を自分で身につけ、そして愛犬の健康と命を守りましょう。なんでもそうですが、情報はあくまでも参考程度に留めておくことをおすすめします。

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